ビタミンCのブログ

ブロマガから移ってきました

セックスレスの原因と理由

ネットをさまよっていると、相関社会出身の人のこんな記事に出くわした。

セックスレスは日本の国民病?

彼によると、いまの日本のセックスレスの原因は、女性がより自由になったからだそうだ。んでも、これは嘘だと誰もが知っているのではないだろうか? たとえば、表紙がびっくりの『セックスレスな男たちとか、『求められない女』といった本がある。

これらの本で紹介されているのは、恋人や妻とセックスをしない男たちと、その相手の話なわけだ。だいたい、セックスレスになって被害が大きいのは女性の側だ。というのも、日本を含むアジアに住んでいれば、男は簡単に風俗で性欲を処理できるが、女性はそうではないからだ(ちなみに、多くの男が体験する風俗サービスはオナニーの延長であって、セックスとはほど遠い)。セックスレスになったカップルの女性の側からの報告は悲痛なものが多い。ネットで探せばいくらでも出てくる。 これとか。

セックスレスの原因は性欲の低下ではない。そもそも、人間から性欲がなくなるということはありえない。実際、セックスをパートナーに求めない男は風俗に通う。これはどういうことかというと、性欲と、特定の相手とセックスしたい欲望というのは別だ、ということだ。これはちょっと考えてみれば当たり前のことで、どんな人でも、性欲があるからといって、誰とでもしたいというわけではないだろう。例・その気になれば人間は同性とでもセックスできるが、それを選ばない人の方がいまのところは多い。

人が特定の相手とセックスをしたくなるのは、その相手と一緒にいたり話したりするのが気持ちよくて、身体的接触もまた気持ちがいいときだ。

あるカップルがセックスレスになるのは、それゆえ次の二つの原因からだと思われる。

1.一方が他方と一緒にいたり話したりすることに喜びを感じていない


2.一方が他方との身体的接触に喜びを感じていない


どちらか一方の理由があるだけでもセックスレスになる。ほかにも原因はあるだろうが、それらはすべて一時的なものであるだろう。避妊法はあるのだから、妊娠が怖い、というのも本当の理由ではないはずだ。もちろん、加齢による原因もあるだろうが、それも解消できるらしい。
男性編

多くの人はこんな二つのこと原因だとは言わないだろう。事実、この記事に関する日記をいろいろ読んでみたが、上の二つが原因だと言う人は一人もいない。こんなことは、あまりに当たり前すぎて気づくことができないのだ。

セックスレスが日本の国民病であるのはぼくもそうだと思う。このことは、日本人が他人と一緒にいたり接触したりする、ということに喜びを見いだしていない、ということだ。これはかなり末期的な状態だと思う。

いままで、誰かと一緒にいて本当に気持ちがよかったことがあるのか、その人との身体的接触が本当に気持ちよかったか。これにyesと応える人の割合は、やはり日本人が世界で一番低いはずだ。人との接触から喜びをえる、ということが日本人はすごく下手というか、それが喜びであること自体をあまり知らない。それがセックスレスの原因であり理由だ。日本人がほかの国の人と比べて性欲が弱いとかそんなことは絶対ない。これはsocialな次元の問題なのだ。


さて、セックスレスになったカップルの話を読むと、どうしてその人と結婚したりつきあったのかがそもそも理解できない、という類いの話が多い。結婚する前はセックスに応じていた女性が結婚後は応じなくなったとか。しかし、相手が自分とのセックスを本当に喜んでいるかなんてつきあっているうちにわかるはずのことだ。というか、「2.一方が他方との身体的接触に喜びを感じていない」の原因は往々にして「1.一方が他方と一緒にいたり話したりすることに喜びを感じていない」であるので、セックスレスカップルは、そもそもつきあっていること自体が間違っている場合が多い。

そうした状態のカップルが数多く見られるということは、多くの人が自分に合わない相手とつきあっている、ということだ。あるいは、そもそも人と一緒にいたりすることに喜びを感じない者がくっついているかだ。

人と接する直接的な喜びに目覚めないまま人生をすごしていく人がこのまま増えれば、風俗産業はますます栄え、相手にされない片割れの悲痛な叫びが、ますます世にこだますることになる。その叫びが、人生ではじめて人の心と身体に触れることの大切さに気づいた証である、というのはかなり凄惨な事態だ。

そんななか、下のような、ある本についた一つのレビューには希望がみえる。

以下引用
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男性の本音や心の機微が綴られているので、恋愛中の人も是非読んでほしいです。
男性が何に傷つき、何に怒るのか。
私も知っているつもりで知らなかったことが
たくさんありましたから。

私自身、好きな人となぜか噛み合わなかったり、距離ができたり、
恋愛で壁にぶつかっているとき読み返すようにしています。

本書はセックスレスを題材にしながら、
男女のコミュニケーションの問題に深く切り込んでいます。
そして、気づかされます。

うまくいかないのは相手の気持ちを慮ってないときで
うまくいくのは相手の気持ちを念頭において行動しているとき。
相手の気持ちに敏感であれば、彼が何に傷つき何に怒るのかが
自ずと分かるようになります。

そして、目的のためには恥や自意識(=プライド)をかなぐり捨てることが大事。
恥ずかしがらずに素直に思いを表現したほうが相手の心に響く。
この正攻法に勝るテクニックはないという事実を、本書が証明してくれています。

結局は、相手に対する想像力や思いやり。
相手を変える前に、自分を変えるべきなんですね。

30歳半ばに差しかかって変にプライドばかり高くなり、
男性に素直に意思表示できなくなっていた私は
本書を読んで大分素直になることができました。

同時に、
「彼に思いやられて当然で、この私が彼を思いやるなんて私らしくない!」という
凝り固まった恋愛スタイル(=プライド)も、ようやく捨てることができました。

本書は永久保存し、折を見て読み返すようにします。
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引用終わり

しかし、「人の気持を念頭に置く」というようなことは日本人が一番得意にしているはずのことなのに、できなくなっているんだよなあ……