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「女学生の13%が援交」の国連報告者の何が問題か

オランダ人の国連報告者が「日本の女子学生の13%が援助交際」と発言シタことに対して外務省が講義し、撤回されたという話題が話題になっている。

「日本の女子学生の13%が援助交際」国連報告者の発言、外務省が撤回要求

「13%援助交際」の発言撤回=国連報告者が書簡で伝達

これちょっと気になったので調べてみた。

まず、オランダ人というのはこの人。マオド・ド・ブーア・ブキッキオ(Maud de Boer-Buquicchio)児童売買,児童買春及び児童ポルノ国連特別報告者。

以下はWIKIの記述。
オランダの法律家、国連人権理事会から「児童の人身売買・児童売春・児童ポルノ」に関する特別報告者[注釈 1]に任命されている人物。2015年10月19日から26日まで日本を視察した[1]。2002年から2012年まで、欧州評議会の副事務総長を務めた。副事務総長職の後任はガブリエラ・バッタイーニ=ドラゴーニ。

[1]「特別報告者は国連人権理事会で各国の人権状況について調査や監視を行う専門家とされている。国連職員ではなく、どの政府からも独立している」

この人、国連職員ではなく、フリーの報告者なんだね。というか、人権問題について、フリーの報告者というような立場の人間が存在するということをはじめて知った。

今回の視察についてのニュースはこれ。

メディア・アドバイザリー:児童の性的搾取の状況 国連の人権専門家、日本視察を開始(10月19日-26日)


ブキッキオさんが山田議員にあったことについて、議員が話している動画の記録があった。

【文字起こし】山田太郎議員、『「子どもの売買、児童売春、児童ポルノ」に関する国連特別報告者』との会談を語る

ここで面白いのはここ
「そのブキッチオさんが来てですね、単刀直入にまず言われたのが、えーと、いきなり、『山田さんはどうして、児童ポルノ規制法に対して、貴方は反対したんだ?』っていうふうにいきなり言われまして、ビックリしまして。ほとんど喧嘩腰。誰からどういうふうに聞いたか分からないんですけども、僕がまるでですね、児童ポルノ愛好家のような言われようでですね、まず面談がスタートしたということで、なんとなくおっかないおばさんって感じでスタートしましたね。はい。
この誤解は議員が必死に説明して解けたらしいのだが、そもそも、この問題の女史はポルノ問題について偏見を持っていたということらしい。

「まあ、そういう意味で、あのー、まあよかったというふうには思っています。で、えー、このままですね、国連に帰って、日本の報告をまとめたら、一発でですね、マンガ・アニメ・ゲームについては、かなり厳しい状態になってただろうと。

なぜならば、実は質問状の中に既にですね、マンガとアニメとゲームが、例えば、児童虐待に関して、影響を与えてるっていうようなことが、質問事項としてもう書いてあったわけですね。これを見る限りにおいては、もうブキッチオさんの頭の中では、マンガとアニメとゲームがですね、あのー、ようは、えー、日本のですね、そのー、子供の性的虐待に、を、誘発していると、いうような、まあ価値観を持っていた、と、いうことは明らかなわけでありまして、えー、結構ですね、まあ、やばい状態だと


これだけ読んで、ワタシにはブキッキオさんがだいたいどういう人なのか理解できた。この記事を読んでいる人もそうだと思う。

何が問題かというと、これ、日本の状況がどうこうのいう問題じゃないのね。問題は、児童売買,児童買春及び児童ポルノについて国際的に仕事をする報告者がいて、それが国連のお墨付きをえて、外国に行って適当な報告書をだすということ。この人の考えや発言にどれだけ誤解があっても、それがそのまま国連の報告書としてでてきてしまう。要するに、能力がない人間に過剰な権限を与えすぎってこと。

もちろん、この人の本来の仕事は欧州での児童問題で、そういう問題についてそこで取り組むのはとても大事なことだと思う。が、そのキャリアを元に、なにも現状を知らない、言葉もまったくわからない国に来て、(言葉がわからないので自分で調べることができないから)誰か(だいたいNGO)の言うことそのまんま信じて適当な報告書を作って帰っていくわけだ。幸い、今回は山田議員や外務省の活躍により阻止されたわけだけど、外国人の国連報告者を受け入れる限り必ずこういう問題は起こり続ける。なぜか。

というのも、こういう仕事につく人間は、児童虐待があり、その原因があちらこちらにあるという前提で生きているわけだ。で、目につくものすべてを「問題あり」と報告する。それが仕事だからね。わざわざ外国に視察に来て、「何も問題ない」じゃあ仕事をシタことにはならないから。もちろん、正当な報告もあるだろうし、それはそれで尊重されるべきだが、外国のメディアが飛びつくのはそういうところじゃない。外国のメディアは援交だの日本のポルノだの、日本叩きに使えるところだけを取り出して叩く。

だから正確には、この人の報告だけが問題なのではなくて、この人の誤解に基づいた報告が外国メディアに日本叩きに利用されるということが問題なんだよね。いや、報告者の考えってのがすでに日本叩きまくっている外国メディアにもとづいて形成されているんだから、これどっちも同じことっていやあ同じことなんだけど。え、なんでそんなこと言えるかって? さっきの引用の続き見てみ。

荻野幸太郎氏
「いや、(ブキッチオさんが)『安心しました』って言った時、ホントに安心してそう言ってた感じでしたよね。『先生(=山田議員)がポルノ議員じゃないことはよく分かりました』って言ってて。安心しておっしゃってましたね」

国の国会議員を「ポルノ議員」と決めつけて会っていたわけだど、そういう誤解をしていたことを恥ずかしいと思っていないこの人。わかるでしょ? どれだけこの人がはじめから偏見と誤解と差別の眼のもとで日本に来ていたか。なんにせよ、これは多分に政治的な問題であり、13パーという数字についての問題ではないのだ。

個人的には、話題になった援交13パーの件よりも、山田議員がブキッキオさんと話したポルノ問題のほうが大事ではあったと思うが、今回の日本の対応はグッジョブだったといえる。ただし、山田議員は上のようなこと言われて怒っていいし、「ポルノ議員」発言を国際問題にして国連を強烈に批判する材料にするべきだったと思う。これ、結局は国連の威信を低下させないことには解決しないから。政治ってのはようは敵か味方ってことだからね。この問題で国連は日本の敵だとはっきり認識しないと。そこんとこ日本人はまだまだ甘い。